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メキシコの飲み物

メキシコの飲み物についてのページです。


メキシコのお酒

メキシコのお酒としてはプルケとテキーラ、メスカルが有名で、テキーラを主材料としたカクテル“マルガリータ” もよく知られております。ところでカクテルと言う言葉の語源はメキシコから出たもので、その由来を後記します。

メキシコ独特の清涼飲料としては、チーア、ハマイカ、タマリンドといった果物の果肉、種子、植物の花などを用いた、様々な美味しい飲料があります。プレコロンビア時代に先住民により開発されたもので、植民地時代も利用され今日にまで伝えられています。

また、トウモロコシ飲料のアトーレとコーヒーのメキシコ風淹れ方、カフェー・デ・オリャも忘れる訳にはいきません。

1)メキシコ独特のアルコール性飲料、プルケ、メスカルとテキーラ

メキシコを代表するアルコール性飲料の原料となっているのはマゲイ(maguey ―龍舌蘭の一種でnopal de tunaとも言われる)という植物で、プレコロンビア時代から乾燥したこの地で先住民により栽培されていました。その芯から日に2~3回抽出される樹液(甘いのでaguamiel樹蜜と呼ばれる)を熱することで醸造されるのが、独特な臭みのある、アルコール度数は4~5%の、どぶろくとでも言うような飲み物がプルケです。先住民は5000年以上も前からプルケを作っており、諸行事やお祭りの都度、神々への捧げ物として用い、また、主として老人に栄養の素、あるいは健胃剤として飲用させていました。今日でも大衆の間で、特に地方ではよく飲まれています。

別種のマゲイからはプルケより一層アルコール度が高い酒が抽出されます。そのマゲイのパインナップル状の芯を取り出して煮て発酵させ、更に蒸留することでメスカル(mescal)と呼ばれるウイスキー並にアルコール度の高い蒸留酒が得られます。既に18世紀末、メキシコを訪れたフンボルトは「マゲイから蒸留によって得られるmexicalと呼ばれるアルコール度が著しく高い焼酎が存在していた」と報告しています。メスカル酒には多くの種類があり、その中でもハリスコ州内の一地方でagave azul種のマゲイを原料とするものをテキーラと呼んでいます。熟成の度合いによってレポサード、とアニェ-ホと呼ぶ上級テキーラ酒があります。また、オアハカ州のメスカルの中には瓶の中に毛虫が一匹封入されたままのものがよく見受けられます。

テキーラの飲み方は、やや長めのタンブラーを用い、塩を舐め、スライスしたライム片を齧って汁を吸いながらストレートに飲むのと、サングリータ(sangrita)と呼ぶタバスコ・ソース、チーレ入りのトマト・ジュース(オレンジ、ライム・ジュースも若干含まれる)をチェイサーとして飲む二通りが一般的です。

また、テキーラを用いたカクテルとしてはマルガリータが有名です。テキーラにコアントロー、ライム汁を混ぜてシェ-クし、縁に塩を付けたカクテル・グラスに注いでサーブします。 このほかにもメキシコの地方に行くと、バールチェ(balche),チチャ(chicha),ロンポペ(rompope),モスコ(mosco)など様々な材料を用いた数十種類もの地酒が存在しています。 ところでカクテルとはメキシコで始まった言葉です

ユカタン半島の北西部にカンペーチェという港町がありますが、18世紀には周辺の熱帯雨林で伐採されたマホガニー(caoba),蘇芳(palo de brasil)、あるいはインデイゴの代用となったpalo de campecheなどの高価な木をイギリスの帆船で欧州に向けて積み出す基地として賑わっていました。イギリス船の船員達が停泊中くつろぐところは土地の居酒屋(タベルナ)で、そこでは地酒、ロン(ron)が水や果汁割りで飲まれていました。このロンをミックスした飲み物は今日ではトリート(torito)と呼ばれてメキシコ南西部で愛飲されていますが、当時英国人船員の間ではDRAC (英国の船乗りDRAKEが訛った言葉とされる)と呼ばれており、ロング・グラスの中で木の匙で(金属の匙は飲み物の味を変えてしまうとして)ゆっくりと攪拌し充分ミックスしてから供されていました。

ある日のこと、町の一軒のタベルナでDRACをミックスするのに木の匙の代わりに細い、つるりとした草の根っこが用いられていました。目ざとくそれに気付いた船乗りがその棒は何かと質問したところ、バーテンダーから “COLA DE GALLO"(スペイン語で鶏の尾の意味)と呼ばれるこの地域に特有な植物の根との答えが返って来ました。イギリス人船員は英語に直すと“COCKTAIL"と言うことかと憶え、以後彼等がDRACを注文する際には面白がってCOCKTAILと言って注文するようになりました。このミックス・ドリンクの新しい呼び方はイギリス人船員によって先ず英国諸島の港に伝わり、次いで北アメリカの植民地に逆輸出され、その後英国船が世界を巡るに連れてこの呼び方は全世界に広まりました。やがてコクテルという呼び方は酒を混ぜること自体を指して使われるように変化したと言う事です。

独特の清涼飲料水(AGUAS REFRESCANTES-NONALCOLICAS)

AGUA DE JAMAICA

ハマイカ(英語でハイビスカス)の花芯、花びらを乾燥したもの(市販されています)2カップ分、水2.5リットル、砂糖1カップ ハマイカをさっと水洗いし、15分煮立ててから濾して取り去り、花びらの色で赤く染まった水に砂糖を加えます。冷やしてサーブします。

AGUA DE CHIA

チアと呼ぶ植物の小さい黒い粒状の実1カップ、砂糖1カップ、レモン6個。水2リットルに砂糖を溶かし、レモンの絞り汁を添加します。チアの種を水に漬けて外皮が膨れたらそれを砂糖・レモン水に加えます。

AGUA DE TAMARINDO(PITAHAYAS)

タマリンド約500gr、砂糖1カップ

水2リットルに薄茶色のタマリンンドの果実を2時間ほど漬けて後、殻と種子を取り去り、果肉を濾した水に砂糖を溶かして攪拌します。冷やして好みの濃さに薄めて供します。(タマリンドの代わりにピタヤを使うとオレンジがかった赤い色のピタヤ水が出来ます)

REFRESCO DE GUANABANA

グアナバナの果肉2カップ(種を取り除き果肉だけを取り出しミキサーにかけて濾し、冷やしたもの)に砂糖200gr、肉桂粉少々加え、水1.5リットルに注いで出来上がります。コップに氷片と共に入れて供します。(グアナバナの代りにチリモヤを用いるとチリモヤ水となる)

AGUA DE TUNA

トウナ(サボテンの緑色の実、赤くなるもの有り)20個、ペレヒル(ぱせり)6本、水2リットル、レモン1個、砂糖1カップペレヒルを1/2カップの水につけエッセンスを搾り出します。トウナの棘を取り去り果肉をフォークで押し潰して濾します。水に砂糖とトウナの果肉パルプ、ペレヒルの水、レモン・ジュースを加えて攪拌します。

HORCHATA DE ARROZ

米1カップ、シナモン粉末1/8匙、レモン 半個

米を研ぎ、3時間ほど水に浸します。2リットルの水で米を煮て、沸騰したところで冷やし、米粒をつぶし、濾し器を通します。砂糖とレモン数滴、シナモン少々を添加すると出来上がります。なお、メロンの種子、あるいはトウモロコシの粒を擂り潰したものに水と砂糖とレモンを加えると単なるHORCHATAジュースとなります。

CAFE DE OLLA

材料

挽いたコーヒー、テーブルスプーン6杯、水1リットル、シナモン2枝、 赤砂糖(ブラウン・シュガー)

作り方

専用の土鍋を用い(他の臭いが付かないように)水を沸騰させて、最初にシナモンを入れ、その香りを水に溶け込ませます。次に赤砂糖を好みの甘さまで入れて木製のスプーンで良く攪拌します。最後に挽いたコーヒーを入れ、沸騰するまでの間よくかき混ぜます。沸騰したら火から下ろし少量の冷たい水を入れて約3分間さました後にサーブします。なお、このコーヒーは決して再加熱しないよう。

ATOLE DE LECHE

材料

トルテイーリャのマサ150グラム、牛乳750cc、水750cc 砂糖200グラム、シナモン1枝、バニラ1匙

作り方

トルテイーリャのマサを水に溶かして濾し、シナモンを加えてゆっくり 加熱します。その間、木製のスプーンでかきまぜ続け、濃くなったところで牛乳と砂糖とバニラを加えて再び濃くなるのを待ちサーブします。

トルテイーリャのマサの代わりにコーンスターチが、牛乳の代わりにチョコレートが用いられることもあります。また時に各種の果物あるいは野菜が内容に加えられる場合もあります。例としてはatole de arroz (米と牛乳と砂糖にカネラとバニラ風味が付けられた)を挙げることが出来ます。



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